マルエツ 今さら聞けない料理のき・ほ・ん
-今さら聞けない-料理のき・ほ・ん
中華鍋について
料理酒について

料理酒の基礎知識

  • 日本酒(清酒)は昔から魚の臭み消しや風味づけなどさまざまな料理に使われ、酒蒸し、酒煮、酒塩などの調理法があります。
    最近では塩を添加したものや料理をより美味しくするための料理用のお酒など種類が増えてきました。
    特徴をまとめましたので、料理に使うお酒を選ぶ時の参考にしてください。

  • 清酒

    白米に麹、水、酵母を加えて発酵させて作ったもの。
    精米歩合や醸造条件により純米酒、吟醸酒、本醸造酒などに分類され多くの種類があります。清酒に使うお米は、米の周りを削ったものを使います。中心部分を使うと雑味の少ない香りの良いお清酒ができると言われています。料理に使用する清酒は、米の周りを削りすぎていない純米酒を使用すると、風味が良くなります。
    ※精米歩合…お米がどれだけ削られているか表す数値

  • 合成清酒

    醸造アルコールに糖類、有機酸、アミノ酸等を加えたお酒。
    日本酒成分を添加したものもあります。

  • 料理酒

    酒に2~3%の塩を加えて<飲用不可>にし、酒税法の適用対象外となっているものや、原料に糖類、調味料などを添加した醸造調味料、みりんタイプ調味料などがあります。
    米、麹、水でできた料理をおいしくすることにこだわった料理酒もあります。

料理酒の種類

名称 原材料 アルコール分 塩分
添加
特徴
清酒 米・麹・水・醸造用アルコール 15~16%
程度
(22%以下)
なし 精米歩合、醸造条件によって大きく純米酒、吟醸酒、本醸造酒にわけけられる。 純米酒(米・麹・水のみ) 吟醸酒(精米歩合60%以下の米・麹・水・醸造アルコール)本醸造酒(精米歩合70%以下の米・麹・水・醸造用アルコール)精米歩合や製造方法などにより更に細かくわかれている。飲用、料理用に利用可能
合成
清酒
アルコール・糖類 16%未満 なし アルコールにぶどう糖・有機酸、アミノ酸などを加えて製造。 酒税率が低いため価格を低くすることが可能。飲用、料理用に利用可能
料理用清酒 米・麹・水 13~17%
程度
なし 精米歩合や製造方法を工夫しコクや旨味を残している。料理用
加塩
料理酒
米・麹・他
(ブドウ糖・水あめ・酸味料など)
13~14%
程度
2~3% 米・麹から作り加塩することで不可飲処置を施し、酒税の対象外としているものや原料に糖類、調味料や酸味料を加えた醸造調味料、みりんタイプ調味料などいろいろなタイプがある。
料理用

料理酒の調理効果

  • ①味をしみ込みやすくする

    アルコールには高い浸透性があるので、煮物などを作る時にお酒を入れると、ほかの調味料も具材に味がしみ込みやすくなります。また、お酒に含まれるうまみ成分がプラスされるので、コクがでます。ただし、料理酒と言われるものには塩分が入っているものもありますので、料理酒を使う時には味付けに気を付けましょう。

  • ②臭みをとる

    アルコールの揮発性(液体が気体になること)を利用して臭みを取ります。 煮魚を作る時は、煮汁の半分位の酒と、魚を一緒に煮汁に入れてから、火にかけるのが臭みを取るコツです。煮くずれも防いでくれますので、煮魚には欠かせません。

  • ③素材をやわらかくする

    アルコールにはまた、沸点を下げる働きもあります。 加熱すると身が固くなりがちな貝類などは、この作用を利用します。 有機酸の働きで材料(肉)をやわらかくします。

  • ④焼き色と香りをつける

    アルコールに含まれるグルコースやアミノ酸、糖質は加熱により、美しい焼き色や香ばしい香りをつけます。 魚を焼く前に、お酒を一振りしておくと臭みが取れ、香りもプラスされます。 フランベという調理法で、仕上げにブランデーやラム酒などのアルコール度数の高いものをフライパンに振りかけるのも、香りをつけるためです。

みりんについて

みりんの基礎知識

みりんは臭みを消したり、コクや風味をつけたり、テリをつけるなど、煮物や焼物、いろいろな料理に使います。
しかし、みりんといっても種類があって何を使えばよいのか迷うことがあると思います。
調理効果や種類などをまとめましたので、参考にしてください。

みりんの種類

名称 原材料 アルコール分 塩分
添加
特徴
本みりん
(伝統的な製造)
もち米・米麹・本格焼酎 14%程度 なし ・江戸時代に確立された製法によって造られる伝統的な本みりん。
・本格焼酎に蒸したもち米と米麹を加えて仕込み、じっくり熟成させて造られる。
さわやかな甘味と自然の旨みをもち、そのまま飲んでもリキュール感覚で美味しい。
本みりん
(標準的製造)
もち米・米麹・醸造アルコール・水アメ 14%程度 なし ・戦後、米不足の頃に開発された製法で、同じ量のもち米から、伝統的製法の約3倍ほどの量を造ることができる。
・三増酒のように、蒸したもち米と米麹に、アルコールと水アメを加えて、香味を調整し、短期間で造られる。
料理用
みりん風
調味料
水アメやブドウ糖・ 化学調味料など 1%未満 1%未満 ・合成酒のように化学的に醸造される、みりんに似せた調味料。
・水アメやブドウ糖に、化学調味料を混合して造る。
・アルコールは含まない。
料理用
発酵
調味料
雑穀・醸造用アルコール・塩 14%程度 約2% 化学的に製造される、みりんに似せた調味料。
・雑穀を糖化し、一部アルコール発酵もさせた調味液に、醸造用アルコールと塩を加えて造られる。
・アルコールを含むが、塩を加えているため酒類ではない。
料理用

みりんの調理効果

  • ①まろやかな甘みをつける

    ぶどう糖やオリゴ糖など多種類の糖類で構成されているため、
    まろやかな甘さになります。

  • ②料理に「テリ」「ツヤ」がでる

    ぶどう糖やオリゴ糖など多種類の糖類で構成されているため、
    糖の保水効果で「テリ」「ツヤ」がでます。

  • ③煮くずれを防止

    糖類とアルコールの作用で繊維の崩壊やでんぷんの流出を防ぎます。

  • ④コクと旨味をプラス

    アミノ酸や有機酸、糖類によってコクと旨味が増します。

  • ⑤味がしみ込む

    アルコールは分子が小さいため早く食材にしみ込み、そのため旨味成分の
    アミノ酸などもしみ込みやすく、味付けが均一に仕上がります。

  • ⑥臭みをとる

    素材にしみ込んだアルコールが加熱され蒸発。その時に肉や魚の臭みもぬけます。

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